「神」と呼ばれた存在には目的があった。それは「人類と魔女の共存」が果たされた" 理想郷 "を築くこと。

理想郷が成らなかった世界などいらないと、神が言ったのだろうか。
人間か魔女、どちらかが滅ぶともう片方も消滅し、世界は再生されゼロに巻き戻る。まるで神の失望を体現するかのように。
度重なる闘争と再生の果てに、生ける魂に染み付いた病的な生存本能はさらなる闘争と再生を招く。

かくして世界には、理想郷が生まれる度に死にゆく永遠の連鎖が訪れようとしていた。
 

――しかし六度目の再生の末、ある双子の魔女が産み落とされ、ついに負の輪廻に瓦解への亀裂が走る。